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LANDSCAPE GOES DOMESTIC
2021.10.09.Sat
10.23.Sat
キュレーション ULTRA STUDIO
アーティスト 向山裕二, 上野有里紗, 笹田侑志
主催 The 5th Floor, HB. 協力 黄木(工務店), 株式会社斉藤照明(金属加工) 広報デザイン 岡﨑真理子 問い合わせ The 5th Floor: info@the5thfloor.org ULTRA STUDIO: info@ultrastudio.jp
都市に建築的に介入することが難しかった地域・時代で育った60年代イタリアのラディカルアーキテクツは、極小のインテリアを通して極大のランドスケープに介入するという転倒した戦略により、批評的イメージ群を生みだした。 ランドスケープ・都市を覆い尽くす均質空間は、家具的スケールの連続によって描かれると同時に、インテリアへと伸縮可能なスケールレスな存在でもあり、ドメスティックなものとSF的なビジョンが無媒介に接続されていた。 半世紀後の現在、都市は彼らが思い描いたような均質空間に覆いつくされてはいない。そもそも、都市への大規模な介入自体が断念され、アーキテクトの描くビジョンは建築とその敷地周辺に限定されつつあるようだ。我々は、彼らの注目した「インテリア」と「ランドスケープ」の衝突に注目し、更にその戦略を転倒させることにより、都市的介入を通したデザイン手法を探求することにした。極大のランドスケープに極小のインテリアが見いだされる。 「形態は機能に従う」というモダニズム的テーゼ。あらゆる機能に対応するユニバーサルスペース。この2つの融合はジェネリックな建築群を生みだした。しかし、建築の外に出て都市を見わたすと、形態と機能の合理的な対応は神話でしかないことがわかるだろう。我々はユニバーサルスペースを規定するグリッドを都市に重ね、グリッドを表象するスターコラムをその交点に落とし、都市の諸要素との衝突を観察した。そこから、都市に散らばるありふれた形態を、建築的「象徴」として見いだしていった。 それらに住まう=ドメスティック化することにより、「機能」を「象徴」に事後的に付与し、「象徴群」によって生まれる新たな都市の姿を描きだした。
ULTRA STUDIO 向山裕二、上野有里紗、笹田侑志からなる建築コレクティブ。2013年に結成。日本とヨーロッパで経験を積み、2018年より東京をベースに設計活動を開始。都市文化を批評的にとらえなおしつつ、建築的介入を創り出す活動をしている。
向山裕二 1985年 広島県生まれ  2008年 東京大学工学部建築学科卒業 2008年 渡邉健介建築設計事務所(kwas)  2011年 スイス連邦工科大学チューリッヒ校交換留学 2012年 クリスチャン・ケレツ 2013年 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了 2013年 渡邉健介建築設計事務所(kwas)  2015年 ドレル・ゴットメ・タネ・アーキテクツ 2021年 東京大学大学院工学系研究科非常勤講師 上野有里紗 1986年 東京都生まれ 2010年 ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ視覚文化論学部卒業 2013年 AAスクール インターメディエートスクール卒業 2013年 フォスター・アンド・パートナーズ 2018年 英国王立芸術大学院大学(RCA)建築学専攻 修了 笹田侑志 1987年 福岡県生まれ 2011年 九州大学芸術工学部環境設計学科卒業 2012年 スイス連邦工科大学チューリッヒ校交換留学 2013年 パスカル・フラマー アーキテクト 2014年 東京大学新領域創成科学研究科社会文化環境学専攻修了 2014年 青木淳建築計画事務所 2021年 東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻 青木淳研究室 教育研究助手