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between / of
2022.11.11.Fri
12.04.Sun
キュレーション 岩田智哉
アーティスト ロニ・ホーン, アナイス・カレニン, 宮﨑すみれ, 村田啓, 知子ソヴァージュ
会場 The 5th Floor 〒110-0008 東京都台東区池之端3-3-9 花園アレイ5F 開場時間 13:00-20:00 閉場日 火、水 アクセス 東京都メトロ 千代田線 根津駅 2番出口 徒歩4分 入場料 ¥500 主催 The 5th Floor 後援 アメリカ大使館、ブラジル大使館 協力 アンスティチュ・フランセ東京, ソニック・アクツ, ルイジアナ近代美術館, ルイジアナ・チャンネル, ロニ・ホーン・スタジオ, 石井麻希+良知暁, 犬唸, エリカ・ドレスクラー, 柏木崇吾, 庄子渉, 濵田敬史, 村上達郎 デザイン 塩谷啓悟 賛助 D/C/F/A お問い合わせ The 5th Floor / info@the5thfloor.org 【関連イベント】 タイトル   Tomoko Sauvage 来日公演 出演 恩田晃, 知子ソヴァージュ, 鈴木昭男 日時 2022年12月3日(土), 12月4日(日) 共同企画 梅沢英樹
水は関係性とつながりに関するものである。水はその見た目の通り、身体のあいだ・なかを、空間と時間を超えて、別々の個別性という見せかけを否定する地球上の循環システムの中を流れている。 ———— Cecilia Chen, Janine MacLeod, and Astrida Neimanis, eds., Thinking with Water (Montreal: McGill Queen’s University Press, 2013), p. 12. 近代以降の社会において、私たちの主体として常に個人が想定されてきました。個人という概念は、人権思想と密接に結びつき、あらゆる人間の権利と自由の担保を標榜する近現代社会の成立に寄与してきました。しかしこうした「個」としての主体は、例えば新自由主義に見出されるように、競争原理の激化による格差拡大など、現代社会において数々の矛盾を引き起こしています。また、人類を超えた他者との共生が声高に叫ばれる現代においては、「個」という主体意識を解きほぐし、そのような他者と緩やかに連携する新たな主体性を考える必要があるのではないでしょうか。 本展「between / of」は、そうした他者との緩やかなつながりを持った主体意識を、「水」をモチーフに身体感覚を通して思考する試みとしての展覧会です。水はその性質上固定化された境界を持たず、常に中間的(in-between)であり、また相互浸透的です。こうした水の物質性は、共感を軸とした利他的なケアの思想と重なり合うだけでなく、あいまいな自己意識を許容する中動態的な態度とも通じあいます。また、水はさまざまな生き物にとっての資源であり、それを共有する他者との共的な主体意識を喚起します。本展は、こうした水が想起させるゆるやかな主体性を、写真や映像、さらには音や光、香りといった現象的なメディアを扱うアーティストの作品を通して探ります。
岩田智哉|Tomoya Iwata 1995年愛知県生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了。キュレーション史やキュレーターなど、キュラトリアル・スタディーズを研究する一方、広く人間を超えた他者との理解可能性/不可能性について展覧会実践を通して模索。2022年4月より、キュラトリアル・スペースであるThe 5th Floorの代表理事/ディレクター。 主な企画展覧会として、「eat ro ekyu」(東京、2022年)、「attunement」(東京、2020)、「Alternarratives -ありえたかもしれない物語-」(オンライン、2020)。
ロニ・ホーン|Roni Horn ロニ・ホーンは、現在ニューヨークを拠点に活動を行う。彼女の作品は、写真、彫刻、ブック、ドローイングなど、コンセプトを中心にしたものである。1975年以来、ホーンはアイスランドの人里離れた風景を広範囲にわたって旅し、そこでの孤独な体験は彼女の人生と作品に重要な影響を及ぼしてきた。また、文学および彼女の並はずれた読書量も同様に、さまざまなメディウムにわたる彼女の作品に深い影響を及ぼしている。彼女の彫刻作品は、ドローイングや写真と同様に、しばしば組み合わされたり、二重化されたりする。 近年の主な個展に以下が挙げられる。テート・モダン(ロンドン)、ホイットニー美術館(ニューヨーク)、ポンピドゥー・センター(パリ)、ブレゲンツ美術館(ブレゲンツ)、ハンブルク美術館(ハンブルク)、クンストハレ・バーゼル(バーゼル)、ミロ美術館(バルセロナ)、デュポン財団(ティルブルフ)、バイエラー財団(リーエン)、グレンストーン美術館(ポトマック)、ピナコテーク・デア・モデルネ(ミュンヘン)、ドローイング・インスティチュート(メニル・コレクション、ヒューストン)、ポーラ美術館(箱根)、ブルス・ド・コメルス(ピノー・コレクション、パリ)。 アナイス・カレニン|Anais-karenin アナイス・カレニンは、アーティスト、ライター、リサーチャーである。サン・パウロ大学(ブラジル)博士研究員、早稲田大学客員研究員。metaPhorest(日本)のメンバー。彼女は植物と親密に関わりながら、伝統的な知識体系、神話、アニミズムを取り入れ、歴史や搾取、領土、科学について考察している。主な展示に、ゲーテ・インスティテュート(日本)、Kunstverein Göttingen(ドイツ)、Paço Imperial(ブラジル)など。また、QOL Award PARADISE AIR(日本)、Print/CAPES Sandwich Grantに選出。ZAO EXPO(日本)、-m(-u-)lti us(ドイツ)等のレジデンス・プログラムに参加。お茶の水女子大学、国連大学などで講義を行い、学術誌や書籍にもテキストを寄稿している。 宮﨑すみれ|Sumire Miyazaki 1992年東京都生まれ。 武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業後、アロマテラピーの世界に出会う。 オーダーメイドアロマデザインアトリエ「s's / スーズ」を立ち上げ、パーソナルアロマの調香を軸に活動中。 様々なジャンルのアーティストとのコラボレーションも行い、風景、言葉、映像、音楽、アート作品などをイメージした香りを調香することでそこに生まれる新しい感覚の可能性を探っている。 村田啓|Kei Murata 村田啓は1990年新潟県生まれ。2013年に多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業後、16年に東京藝術大学大学院美術研究科絵画油画専攻を修了。視覚やスケールの変容への興味に基づく、光の現象を特徴とした写真作品を中心に制作。また、ミュージシャンやファッションブランドとの協働や、舞台芸術、広告の写真制作などにも携わっている。近年の個展に「Wallpad」(NADiff Window Gallery、東京、2022)、「5 holes are sunlit」(Token art center、東京、2021)など。主な受賞歴に「VOCA展2022」入選、「Tokyo Frontline Photo Award 2020」大山光平賞・川島崇志賞(2020)、「群馬青年ビエンナーレ2019」入選、石橋財団国際交流奨学生(2014)、福沢一郎賞(2013)がある。 知子ソヴァージュ|Tomoko Sauvage 横浜市出身、フランスを拠点とする音楽家。多様な形態の水と土(磁器の椀、素焼)、水中マイク(ハイドロフォン)、エレクトロニクスを組み合わせた楽器、Waterbowlsのパフォーマンス、録音作品、インスタレーションを主軸に活動。流体の運動の観察を起点として空間と共鳴を研究し、積極的に偶然性を取り入れた作品制作を行なっている。 ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)、ポンピドゥーセンター・メッス(フランス)、パレドトーキョー(パリ)、リガ・ビエンナーレ等のアートセンターやビエンナーレから、ロスキルド・フェスティバル(デンマーク)、Nyege Nyegeフェスティバル(ウガンダ)、UNSOUND(ポーランド)、Maerz Musik(ベルリン)、Novas Frequências(ブラジル)等の音楽フェスティバルまで、幅広いジャンル、ヴェニューにおいて、パフォーマンスを発表している。溶ける氷の水滴を用いたインスタレーション作品「In Curved Water」は、Galerie Chantal Crousel(パリ)、 Sharjah Art Foundation(アラブ首長国連邦)、 The Empty Gallery(香港)、 Ex Teresa(メキシコ)等で展示された。また、BBC(英)、Deutschlandfunk Kultur(独)、France Musique(仏)、NPR(米)、ORF(墺)等のラジオで特集番組が放送されている。