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宇宙の手触り
2025.02.14.Fri
03.23.Sun
キュレーション のぼる [noboru]
アーティスト クロエ・パレ
開場時間 13:00 - 20:00 閉場日 火、水 入場料 ¥500 主催 The 5th Floor 協力 Eyes of Light、イミグレーション・ミュージアム・東京、仲町の家、クイアシネマクラブ, スタジオグロス、voyons voir 特別協力 カレン・バラッド、Nalyssa Green The 5th Floor 賛助 D/C/F/A
現代社会に生きる私たちは、膨大な情報をかかえるソーシャルメディアや、かつてないまでに深刻化する気候変動、過剰な消費主義の渦に日々取り込まれています。このさまざまな「過剰性」は、ある主の飽和状態を生み出し、私たちが「この世界に生きている」という確かな主体性を希薄なものにさせます。こうした状況を打破する一つの方法として、私たちの体験を新たなかたちで提示しようと試みる、現代アートの実践があります。多様な植物や水の形、総体としての宇宙⸻自然が奏でる音に寄り添うアートは、時に、世界を形づくるミクロとマクロな仕組みを、より身近に感じさせてくれます。 本展のタイトルである「コスモハプティクス」とは、世界の絶え間ない変化との密接なつながりを示し、私たちの私的なものがたりと惑星の物質的な生成の関わりについて言及する言葉です。作家のクロエ・パレは、こうした宇宙の生態系を捉えようとするテーマにこれまで取り組んできました。本展は、彼女が天体観測によって触発された好奇心や関心、そして新たな知の生成の場として「触感」について取り上げます。また新唯物論の観点から「身体を通した経験」について探究します。 「宇宙の手触り」展では、柔らかな彫刻インスタレーションが会場のThe 5th Floorとその建築に寄り添うようにして展開されます。会場には3つの部屋がありますが、各部屋には本展にまつわるコンセプトが設けられています。最初の501号室は、現代社会に生きるなかで直面するさまざまな複雑さに気づくこと、の意を込めて「危機の認知」を表します。502号室は、そうした危機の経験から生じる感情や苦しみの省察を表し、それらを受けて新しい癒しの方法を模索する空間です。503号室は、偶然生まれる他者とのつながりを、共生の在り方を再構築するために必要不可欠な要素として捉え直します。この最後の部屋には読書スペースがあり、随時、出版物、映像上映やワークショップなどの協働プロジェクトやイベントが開催されます。 「宇宙の手触り」は、私たちが住まう不完全な世界を探求する試みであり、また同時に、私たちを形づくる世界に改めて目を向ける機会を提供してまいります。 —————————————————————————————————————————————————————— 【イベント】 ①オープニングレセプション 2025年2月14日 18:00~20:00、Room 101 (The 5th Floor 1Fカフェ) ②映画上映「ティロスの結婚式」(2022年、パナヨティス・エヴァンゲリディス監督)× クィアシネマクラブとのコラボレーション 2025年2月23日 18:00~20:00、503号室 事前登録が必要 2008年、ギリシャ・ティロス島の市長はギリシャで初めてゲイとレズビアンカップルの結婚式を執り行うことに同意しました。本作は、これら2つの民事婚の物語について現地で撮影された映像で描き、さらに同年に行われたゲイプライドイベントのシーン、記者会見、そしてこの問題に関わる抗議活動の様子も交えて構成されています。 ③「コスモハプティクス」ワークショップ 2025年3月9日 13:30~15:00、503号室 事前登録が必要 わたしたちは、世界をどのようにとらえ、そしてどのような視点でとらえているのでしょうか? 私たち個人の経験は、私たちが語り、作り出すものの中でどのように位置づけられているのでしょうか? 自己と他者を相互に繋がるものとして、どのように理解できるでしょうか? 地質学、知識の物質性、視覚的な抽象性を根幹に据えたこのワークショップは、私たちがどのように何かを知り、それを拡張できるかについて探求するための、遊び心あふれる彫刻的な実験です。 詳細・登録: linktr.ee/cosmohaptics
のぼる [noboru] のぼるは東京を拠点に、ジェンダーやメディア、批判的唯物論、そして感覚民族詩学を軸に活動しているコレクティブです。メンバーのアリウェン、平河伴菜、クロエ・パレは、それぞれの専門分野の知識やzine制作を通じて、個人的な経験について考え、エコロジー、クィアネス、そして物事の偶然性について対話を広げていくことを目指します。
クロエ・パレ|Chloe Paré クロエ・パレは、アテネ出身のヴィジュアル・アーティスト、研究者で、宇宙生態系に基づくかたちやフィクションから着想を得て活動しています。彫刻インスタレーション、ワークショップ、そして出版物を通じて、科学的で地域固有な、身体を通じて体験された神話について探究します。パレの作品は、批判的唯物論と協働活動を軸に、固有かつ主観性に基づいた「知の生産」に迫ります。