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Stilllive Studies 2025: Interdisciplinary Performance - #5 大岩雄典「盗み取ること=インスタレーション(In-steal-lation)」
2025.10.25.Sat
10.25.Sat
聞き手 権祥海
アーティスト 大岩雄典
会場 The 5th Floor|〒110-0008 東京都台東区池之端3-3-9 花園アレイ5F 入場料 トーク:無料/ワークショップ:2000円 主催 Stilllive 共催 The 5th Floor The 5th Floor 賛助 D/C/F/A グラフィック・デザイン 阪本あかり 予約フォーム https://forms.gle/ZCi8KPbREStT19uo9 お問い合わせ The 5th Floor / info@the5thfloor.org
パフォーマンスプラットフォームStilllive(スティルライブ)は、パフォーマンスの理論的・実践的な考察、身体の諸問題をめぐる知識生産に取り組む「Stilllive Studies 2025:Interdisciplinary Performance(学際的パフォーマンス)」を開催します。2023年、Stillliveは初回となる2019年から培ってきた領域横断的な協働の経験を基に、パフォーマンスに関する学びの場を開く「Stilllive Studies」を開催しました。会期中には、複数のアーティストが各自の経験をもとに、都市、政治、ジェンダー、コミュニティなどの課題を参加者とともに深掘りするプログラムを合計16回開催しました。今回のスタディーズ・プログラムでは、これまで芸術のみならず、武術、ゲーム、歴史、料理など様々な分野の知識や手法をリサーチし、多面的な活動を展開してきたアーティストを招き、トーク、ワークショップを含む体験型プログラムによってパフォーマンスの学際的な可能性を探っていきます。 #5 大岩雄典「盗み取ること=インスタレーション(In-steal-lation)」 トーク 日時:10月25日(土)15:00〜16:00 会場:The 5th Floor 参加費:無料(要予約、定員20人) ワークショップ「レディメイドは盗品である」(事前課題あり) 日時:10月25日(土)16:10〜18:00 会場:The 5th Floor 参加費:2000円(要予約、現地での現金払い、定員12人) インスタレーションは雲をつかむような芸術だと思います。ただモノを一部屋に並べるだけでない、雰囲気、空気をひとおさめに作るような。インスタレーションをよく「空間芸術」と言いますが、キュレーターのジェルマーノ・チェラントの言う「領域芸術(spherical art)」のほうがしっくりきます。 「領」という字の意味は「占める」です。空間を「占める」と運命を「占う」は同じ字を使います。漫画『呪術廻戦』の呪術師たちが「領域展開」すると、その領域の中では自分の「呪術」は相手に必中する。まじない、うらないは本来このような、空間=世界を占める術でしょう。 僕はこの術の出どころのひとつを、18世紀啓蒙主義に求められるだろう、と見ています。ひとつに治められる空間として「国家」を設定するアイデアや技術が元ネタではないか。2024年に制作したインスタレーション《killing》では、明治時代、つまり日本の近代化の折にヨーロッパから輸入された「決闘罪」をモチーフに、法(刑法)の観点からこの空間を考えました。私の生命、私の身体、私の決断力は、どのようにおさめられているのか? 今回のトーク/ワークショップは、ここから展開させて着想しています。題材は、近代的国家の要である「私有」の裏面である「盗み」にしようと思います。 ワークショップは、「レディメイド」と「占有/所有」を題材としたものにします。 参加者が内容の説明を事前に受けたうえで、参加の度合いを各自が判断=制作できる形にします。
権祥海|Sanghae Kwon 東京都現代美術館学芸員。1990年韓国生まれ。2018年東京藝術大学美術研究科芸術学専攻(日本・東洋美術史)修士課程修了。2022年同大学国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻(キュレーション)博士課程修了。現代美術とパフォーミング・アーツを横断するキュレーション、プラットフォーム運営​(Stilllive)、執筆活動を主軸に、パフォーマンスにおける共集性、個人や共同体のトランスナショナルな社会実践を捉えている。主なキュラトリアルプロジェクトに「Stilllive 2024: Kinetic Net」(クリエイティブセンター大阪(CCO)、2024年)、イム・ミヌク「Hyper Yellow」(駒込倉庫・隅田川屋形船、2024年)、研究に「東アジアにおける歴史実践の場としてのパフォーマンス-イム・ミヌク、高山明(Port B)、ワン・ホンカイを中心に-」(博士学位論文、2022年)などがある。
大岩雄典 美術家。インスタレーションを、人間を拘束し上演している現実の装置=法にたいする再現・分析・介入の技術として捉え、主に美術作品を制作し、また助けとして批評や理論研究やワークショップ、教育機関への従事など。法律、感染症、漫才、カードゲーム、お化け屋敷、ウェブサイト、雀荘など、同時代性と普遍性の両方の射程を基準に、モチーフや形式を縦横に探究する。最新作《killing》(2024)は、日本の刑法とくに決闘罪の規定をもとにした参加型インスタレーションで、統治と近代性、所有と賭博を主題とした。主な展覧会に「渦中のP」(個展/十和田市現代美術館)「Encounters in Parallel」(グループ展/ANB Tokyo)など。最近の寄稿に『ユリイカ』『現代思想』『だえん2024』など。東京芸術大学大学院映像研究科博士後期課程修了(2024年3月、博士(学術))。多摩美術大学特定研究員/非常勤講師。 https://euskeoiwa.com