この展示では、ほとんど同じ間取りの三部屋を使用し、それぞれの部屋に映像・写真・ポスター・レビューを設置しています。しかし、鑑賞者が入ることができるのは、そのうち一つの部屋に限られます。
2025年3月、WHITEHOUSE (東京・新宿) にて、衣服作家・柴田勇紀の作品を使ったコレクティブパフォーマンスが行われました。本展示では、このパフォーマンスについての記録が五人の作家によって展示されています。
パフォーマンスで試みられたことの一つに、厳格な作家的空間を持つ者同士が関係をもつことがありました。
ここでの厳格さとは、明確な輪郭を持った作家空間と、その空間の中で全てのことを扱うことが可能となる状況のことを指しています。
そのような作家たちが、厳格なまま互いに関係するために、柴田の衣服を起点にパフォーマンスを行いました。
「現象と記録:同一の記録を3つの部屋にしてみる」では、現代社会において記録として使用されるメディア空間を厳格なまま扱いつつ、記録や体系化などの操作を行えるかを鑑賞者と共に探っていきます。
鑑賞者は、入ることの出来なかった部屋について考えたり、他の部屋に入った他者と話し合うことで、メディアと記録の関係について探究することができます。