パフォーマンスプラットフォームStilllive(スティルライブ)は、パフォーマンスの理論的・実践的な考察、身体の諸問題をめぐる知識生産に取り組む「Stilllive Studies 2025:Interdisciplinary Performance(学際的パフォーマンス)」を開催します。2023年、Stillliveは初回となる2019年から培ってきた領域横断的な協働の経験を基に、パフォーマンスに関する学びの場を開く「Stilllive Studies」を開催しました。会期中には、複数のアーティストが各自の経験をもとに、都市、政治、ジェンダー、コミュニティなどの課題を参加者とともに深掘りするプログラムを合計16回開催しました。今回のスタディーズ・プログラムでは、これまで芸術のみならず、武術、ゲーム、歴史、料理など様々な分野の知識や手法をリサーチし、多面的な活動を展開してきたアーティストを招き、トーク、ワークショップを含む体験型プログラムによってパフォーマンスの学際的な可能性を探っていきます。
#4 平尾悠太朗 × 吉田拓「デジタル・エンボディメント:VR身体性インタフェース「YUBI」とダンスの対話」
パフォーマンス&ディスカッション
日時:8月17日(日)14:00〜16:00
会場:The 5th Floor
参加費:2,000円(要予約、定員20人)
VR研究者とダンサーによるコラボレーションから生まれた、パフォーマンスの発表と公開ディスカッションを開催します。
VR技術が知覚や身体性に新たな可能性をもたらす中、本イベントでは、VR身体性インタフェース「YUBI(Your Universal Body Interface)*」の開発者であるVR研究者・平尾悠太朗と、多角的にダンスを展開しているダンサー・振付家の吉田拓とが協働します。両者は「身体性」は肉体単体で完結せず、環境、他者との「あいだ」の関係性で生まれるという共通理解のもとに、YUBIデバイスを用いて身体のフィードバックループを共有・編集し、一人では生み出しえない、新たな「あいだ」としての身体性を創造します。
VR身体性インタフェースを経由して操作者(平尾)とダンサー(吉田)の間で生じる力のコミュニケーションは相互に影響し合い、それぞれの身体性への介入を試みます。さらにコミュニケーションの質量をスクリーン上にビジュアル化することで、複数の異なる身体性を同時に提示します。
さらに公開ディスカッションでは、ダンサーとVR研究者がそれぞれの知見を交換し、即興ダンスの方法論や認知科学、「YUBI」の制作背景が共有されます。その上で、来場者との対話の場を開きます。
パフォーマンスと対話を通して、VR技術が身体表現に与える可能性と課題、そしてアートと科学が交差する未来についての想像を共有し、発展させることを試みます。
*YUBI:身体は肉体ではない。身体は肉体と環境との関係性である。YUBIはその肉体と環境の力学的な関係性に介入し、いつでも、どこでも、だれもが、ありたい身体として環境を感じ存在することを実現するインタフェースである。